「すごいぞ、これは!」展は予想以上に心に迫って来た。【1/3】

視界をよぎった摩訶不思議な造形に引き寄せられて、偶然にして初めて「ボーダーレス・アート」というものを目にしたのは、川口の「アートギャラリー・アトリア」においてでした。一瞥してその面白さが既存のものとは明らかに違うことに気付いたのですが、その訳をなかなかつかめずに、奇抜な作品群に見入りながら会場をめぐり続けたことを思い出します。…その訳とは、なんらかのハンディキャップを持つ人たちの作品だということでしたが、特色ある形態それぞれの唯一無二の叫びと純真さがグヮンと心に迫って来て、それまで学んだことの無いアートの一面を突き付けられたような衝撃を受けました。

それらは無垢だけど子どもの造形とは違う、というのは子どもはここまで作り込めないし飽きっぽかったりします。わたしもそうでしたが、作りはじめてから日毎にアイデアに対する情熱が小さくなっていき、今作っているものがだんだんとつまらないものに見えて来たりした。つまらないと感じたものを最後まで作り通すのは困難、というか無駄なことだとさっさと見切りをつけて、振り返りもしなかった。

だけど、これらはというと!粘土を米粒一粒一粒のように指先でひねり出してびっしりと林立させ、ゾワゾワとするようでいて純真さに心打たれる「顔」があった!「顔面をプツプツさせたら、さぞかし面白いだろう」、というアイデアは出る、としても実際に作れるかというと「人の心を動かす」ほどの密度を出す前に自分の心が折れそうだ。反復という途方もない手作業が人の心に強く食い込んでくるのは知っていたようで、実は知らなかった。わたしたちの回りはコストパフォーマンスばかりを考えたモノやコトでいっぱいだし、この日まで手作業の極致のような造形物をアートとして興味深く見たことがなかったからかも知れません…。11月5日へつづく(^^:)

気になっていた、夏休み前のピュアな工作を見てみてください。

●ウ DSC07908●ウ DSC08000 青いのは紙粘土で作ったカメラ。魅力はまず赤いシャッター。公園で拾った瞬間「カメラのシャッターにするんだ、カメラを作ろう!」と心に決めたと小2の彼は強く訴えながら、紙粘土でガンガン造形!紙筒を埋めてそこにセロテープを貼ったらマーカーで青く塗り、レンズに。あと、カメラを写すときにのぞくところはビー玉っていうのも、かわいい。工作の楽しさにあふれてる!!カメラはやっぱこうでなきゃね。

もう一枚はカメラと同じ男の子制作。拾ったり、お家の人からもらったりしたもので自由に造形しました。カサの柄で出来たピストル、拾って来たサビた洗濯バサミを頭に見立てた恐竜、ぴったりサイズの紙パッキンの台ももらって来たもの。カセットテープは、う~んとう~んとなんだっけかなあ、……わ、忘れてしまった<(益:)>。手前のはネジやバッジ、何かの部品とかを紙粘土に埋め込んで、小粒ながらも「思い出の品」的な趣が。

こんな風に「拾った洗濯バサミ」で十分にしあわせになれるんだよね!何をつくったかは忘れてしまっても、そんな時間があったことはきっと心の奥底に積み重なって君を支えてくれると思うんだ。

偏光板工作、最初はこんなかわいい作品ふたつ。

●ウ DSC08327 わっ♥、かわいいお化け屋敷!紙コップのお化けが、黒い壁を通り抜けて左右に行ったり来たりします。壁を通り抜けるんだから、ほんとにお化けにぴったりなシチュエーションです。(ハロウィンぽかったかな。)

左右に動く仕組みは、棒状の紙をお化けの頭に貼り、細長い穴を開けた天井から出して、引っ張り動かします。小1の女の子がいろいろ仕組みを考えて作ったよ!

●ウ DSC08497 ●ウ DSC08501 これはまたかわいいパン屋さんです。ちょっと、薄暗い店内でごめんね(^^::)ゞ。偏光板は光をバンバン通さないのでこんな感じになってしまいますが、店員さんは行きつ戻りつしてがんばってます。オーダーしたら屋上でどうぞ、っていう楽しい工作に発展しました。店員さんは下に出てる黒い紙の棒で動かすよ。小3女子の制作です。